コロナ下のパ―ソン・センタード・ケア ~日々の業務で大切にしていること~(報告)

全国で活躍されている熊本県の松永美根子さんのご講演をお聞きしました。

新型コロナウイルス感染症により世の中のありようが変わってしまったと多くの人が嘆いているなか、老健「孔子の里」は利用者の感染者が0名。施設管理者の方針とその考えを理解し協力する職員、利用者・家族の協働により、感染対策に努めながら、これまでと変わらないケアを提供しているという内容でした。この源にあるのは、誰もが人として尊重され、尊重されていると実感できるパーソン・センタード・ケアの思想であり、今までの実践の積み重ねが、突然襲ってきた感染症を乗り越える力になっていることを学びました。

コロナ下で世界中が震撼している中、まずは今まで利用者の感染が「0名」であることに驚きました。松永先生は、組織トップの決意と職員の理解と協力と説明され、「コロナウイルスを持ち込まない」ことに組織全体で取り組まれたとお話しされました。安全に業務を行うための物品の用意、職員全員で行う訓練、実態に合わせたマニュアル作りと状況変化に即した改訂、体調不良時の休暇のとりやすさ、各種手当を支給して職員の生活保障をするなど、細部にわたり働きやすい環境づくりを整備されているとお聞きしました。このような日々の実践が組織トップと職員の信頼関係を培い、利用者とその家族の生活を守るという目標に向かってさらに団結力を強め、感染者0名の実践につながったのだと思いました。

その他、利用者の視点に立った生活の工夫や、認知症をもつ人の心理的ニーズの視点から、認知症をも人のマスク着用についても、どのように取り組まれてきたかなど、はっとさせられることの連続でした。

孔子の里では、日ごろからパーソン・センタード・ケアの実践を積み重ね、認知症ケアの文化を作り上げてきたことにより、コロナ禍であってもビクともしない、今までと変わらぬケアを実践できているのだと感銘を受けました。大変貴重なお話で、実践に役立てることができるヒントをたくさんいただいたご講演でした。

松永先生、ありがとうございました!

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