認知症ケアマッピング(Dementia Care Mapping)とは

”認知症の人の内面をわかろうとする気持ちと観察の技能とを用いて、認知症の人の立場に立とうとする真摯な取り組みである”(T.Kitwood)

 

パーソン・センタード・ケアをケア現場で実践するために,認知症ケアマッピング(DCM)というツールが開発されまた観察ツールです.
通常,6時間以上連続して認知症をもつ人達をその人の視点に立って観察し,5分ごとに,どのような行動に携わり,どのような状態かを記録します.また、その人の心理的ニーズに影響するような出来事や関わりについても記録され、結果はチームにフィードバックされます.
この方法は,認知症ケアの質を評価するという側面もありますが,現在ではむしろ,観察で得られた情報をもとにケア現場のスタッフと話し合い,具体的にケア向上のための行動計画を立てて実践することをくり返し行うことで,パーソン・センタード・ケアの実践をめざす“発展的評価”として用いられています.
DCMを使用するには,講習会を受講することが必要です.わが国では,認知症介護研究・研修大府センターとシルバー総合研究所が協力して,年に数回,DCM講習会を開催されており、2020年1月現在、1800名近い修了者(DCMユーザー)が全国で活動しています。

 

パーソン・センタード・ケアとDCM研修
2020年度開催情報は、こちらから.
・認知症介護研究・研修大府センター https://www.dcnet.gr.jp/study/caremapping/
・NPOシルバー総合研究所 https://silver-soken.com/seminar/pcc/

参考文献
ブラッドフォード大学認知症学部ドーン・ブルッカー、クレア・サー(著)、認知症介護研究研修大府センター(訳):認知症ケアマッピング第8版‐理念と実践.日本語版第4版(2011)