VIPSフレームワークとは

  PCC(パーソン・センタード・ケア)= V+I+P+S

(人々の価値を認めること)
(個人の独自性を尊重すること)
(その人の視点に立つこと)
(相互に支え合う社会的環境を提供すること)

VIPSは、D.ブルッカー教授により提唱された、パーソン・センタード・ケアにとって不可欠な4つの重要な要素です.

VIPSフレームワークは、パーソン・センタード・ケアの要素、V、I、P、Sをどの程度実践できているかをふり返るための枠組みです.各要素についてそれぞれ6項目、全24項目の指標が設けられています。VIPSフレームワークを用いて,組織の現状をふり返りながら討議することで,パーソン・センタード・ケアをより向上させる具体的な手がかりを見出していくことができます.

V:人々の価値を認めること
認知症と共に生きる人々と、そのケアに携わる全ての人々の価値を認めることです.認知症をもつ人とその家族の体験を重んじ、そのニーズに応じて、十分な敬意と配慮をもって対応していますか?そのために、組織の理念を明記していますか?それを実現するのに必要なサービス事業の運営管理、教育研修の仕組み作り、またスタッフの研修やサービス環境、質の保証などが十分できていますか、など6項目が指標とされます.

I:個人の独自性を尊重すること
認知症をもつ人は、一人ひとり異なる人生を歩み、独自の好みや生活習慣を有し、認知症による症状や健康状態も様々で変化していきます.その人の幅広いニーズと強みを理解して支援していますか?一人ひとりの背景や個人の好むこと、生活歴、意味ある活動にたずさわることなどについて、チームで共有して、支援に生かし、取り組まれていますか、など6項目が指標とされます.

P:その人の視点に立つこと
認知症をもつ人がどのような体験をしているか、その人の視点に立って理解しようとすることです.日々、ご本人に聞いたり、サインに注意を払ったりして、その人の体験をわかろうとしていますか?リスク管理や、対応に苦慮するような行動に対して、介護者側の視点だけでなく、その背景や理由をその人の視点で考えていますか、また、認知症のない人と同じように人権が擁護されていますか、など6項目が指標とされます.

S:相互に支え合う社会的環境を提供すること
認知症の人が、孤立するのではなく、周囲の人々から認められていると感じられ、心理的ニーズが満たされるような人間関係を提供できているでしょうか?例えば、認知症の人が、あたかも感情のない物のように扱われたり、無視されたりすることがありませんか?認知症の人に敬意や温かな思いやりをもって、皆が接し関わっていますか、さらに地域社会の一員として参加していますか、など6項目が指標とされます.

詳細は、下記の書籍をご覧ください.

 

参考文献
ドーン・ブルッカー(著),水野裕(監修)、村田康子・鈴木みずえ・中村裕子・内田達二(訳):VIPSですすめるパーソン・センタード・ケア(2010)クリエイツかもがわ.Dawn Brooker:Person-Centred Dementia Care(2006),Jessica Kingsley Publishers