第7回パーソン・センタード・ケアを考える会公開講座 「そうだ、marugo-to(まるごーと)行こう!」の取り組み (報告)
2022年9月19日、第7回公開講座を開催し、新潟のmarugo-toの居場所づくりの取り組みを紹介させて頂きました。当日はmarugo-toの皆様のお芋ほりの実況中継を中心に、参加された方の声や楽しそうな様子、素敵な笑顔や歌声を直接聴くことができました。認知症の方や生きづらさを抱えた方や地域の方々が共に活動されている、その実際の様子を伺い、パーソン・センタード・ケアとは言わなくても、人と人がつながることの意味をかみしめることができました。
岩崎代表からは、marugo-toの成り立ちや、名前の意味について、インタビュー形式でお話しいただきました。たてわりの社会で悩みを解決するのは難しく、公的な支援だけでは個人の希望をかなえられないこと、一人の若年性認知症の方とのかかわりがきっかけで「ない」から「つくった」場所とのこと。たてわりのつながりではなく横のつながりで、色々なカラーがあっていい、誰でも(maru)行く(go-to)ことができる場所、整ってなくていい、整ってないからこそ世の中である、行きつけの場所といった思いが込められているとのことでした。
立ち上げの時の大変さより継続していくこと、周知活動のほうが大変であり、地域とつながるというより、知っていただく、直接のつながりでなくても見守っていただくだけでも良いのだと。認知症だからというくくりでは活動していないし、続けていくことで地域に根付いていけたら、と考えているとのこと。
また、コロナ禍の中では、3か月自粛期間があり、皆さんの笑顔も減り、引きこもった状態を目の当たりにして、ライフラインと同じくらい大事な活動であることを再認識されたそうです。ルールを決め、感染症対策をしっかりした上で活動を再開したとのことでした。
「指示なし、義務なし、ノルマなし」でルールに押しつぶされることなく、できることをしていく、参加者ファーストでスタッフも参加者の側に立って楽しむ、自由に過ごす時間を大事にされており、集めるより集まる場所であることに、共感し、素敵だなぁと思いました。
参加者の皆様からは、
・皆さんとても楽しそうにしていた事がとても印象的でした。地域ごとにこのような場所があると良いなと感じました。
・母の認知症の症状が進み始めてから行くところがなくなってしまうのを目の当たりにした経験から、同様の状況にある方たちの地域での居場所を作れたらいいなと思い、参加させていただきました。認知症に限定するのではなく誰でも参加できる取組みがとてもいいなと思いました。
・現場とつないでいただいた今回の企画、とても臨場感があり、皆様の様子がよくわかりました。講義的なお話より、その場にいるような感覚が得られ、とても参考になりました、などの声をいただきました。
こんな場所が身近にあったらいいのに、と誰もが感じると思います。新潟の土地の力強さ(角田山麓)を感じつつ、何より、パーソン・センタード・ケアの実践を真摯に実現されているように感じました。
最後に、ご協力いただいた岩崎代表はじめ、marugo-toの皆様、実況中継に協力くださった地元の会員・マッパーの皆様に心より感謝申し上げます。台風で猛暑の中、本当にありがとうございました。
marugo-to 万歳!